「話せるようになるには単語が何語必要か」と十人に聞けば、自信満々でバラバラな十の答えが返ってきます。では「いま実際に何語知っているか」と聞くと、多くの人は黙ります。人が口にする数字は、ほとんどが自分で測った数字ではない——これが、数を数えることが本題ではないという最初の手がかりです。
本当に意味のある区切り
語彙カバー率の研究は、直感より安定した答えを出します。次の数字は、ある語彙数が日常言語のどれくらいに届くかを示したもので、実際の会話や文章での出現頻度にもとづきます。
| 語彙数 | カバーする範囲 |
|---|---|
| 約1,000語 | 日常会話の約85% |
| 2,000〜3,000語 | 約90〜95% — 会話が自立する(Nation, 2006) |
| 5,000語以上 | 日常会話の約98% |
| 約8,000語 | 小説や新聞を無理なく読める |
ここで目を引く点が二つあります。一つ目は、1,000語から3,000語に増やしてもカバー率は十ポイントほどしか上がらないこと。ただしその十ポイントが「大意はつかめる」を「会話を続けられる」に変える十ポイントです。二つ目は、曲線が早々に寝てしまうこと。5,000語から8,000語に増やしても数ポイントしか増えません。最初の数千語のあとに現れるのは稀な語で、1章に一度出会うかどうかの単語だからです。
パーセントは約束ではない
カバー率は流暢さと同じではありません。この違いは正直に言っておく価値があります。カバー率95%なら、20語に1語は知らない語です。それだけ聞くと何とかなりそうですが、ほぼすべての文に穴があるという意味でもあり、その穴はたいてい文の意味を担っている語です。
だからこれらの数字はゴールではなくマイルストーンとして読んでください。最初の1,000語は頻度が選んでくれる語で、どこにでも出てくる単語です。その先は、あなたが読むもの・観るもの・話すことが語彙を形づくっていきます。同じ4,000語を持つ二人が、まるで違う言語を使えるのはそのためです。
最後の5%が一番高い
「もう少しで流暢なのに」と何年も感じているなら、カバー率の表がその説明になります。最後の数パーセントは、いちばん時間がかかり、いちばん地味です。慣用句、コロケーション、使われる場面が狭い語。多くの学習者がこのゾーンで足を止めます。上達が止まったからではなく、上達が見えなくなったからです。
対処法は、より稀な語をひたすら削ることではありません。読んでいる本、観ているドラマ——文脈で出会った語を、次に集める語にすることです。それはそれ自体が一つのワークフローであり、最後の5%を壁にしない方法です。
CEFRとHSKへの対応
試験に向けて勉強しているなら、目標はすでに書かれています。中国語の公式試験であるHSKは必要語彙を公表していて、それはCEFRの段階とおおむね一致します。
| HSK | 必要な語彙 | だいたいの相当 |
|---|---|---|
| HSK 3 | 600語 | B1 |
| HSK 4 | 1,200語 | B2 |
| HSK 5 | 2,500語 | C1 |
| HSK 6 | 5,000語以上 | C2 |
これをカバー率の表と並べると、あるパターンが見えます。HSK 3は会話自立のライン付近に、HSK 6は新聞が読めるライン付近にあるのです。試験はでたらめな数字ではなく、語彙研究が語るのと同じ区切りを近似したものです。
数えるのをやめ、狙いを定める
数を数えることの実務的な問題は、自分が3,000語に近づいている感覚が持てないことです。その数字は学習中には見えませんし、見えない数字は誰の意欲も動かしません。
目標は違います。「会話が自立する」は目標です。「小説を止まらずに読み切る」は目標です。「HSK 4に受かる」は目標です。一つ選べば、毎日の問いはシンプルになります——今日、そちらへ進んでいるか?
この問いを感覚から計測に変えるものが二つあります。
- デッキごとの習得度 — 習得済み/総数のカウンタは、あるトピックや試験レベルでどこまで来たかを、当てずっぽうなしで教えてくれます。
- 自分で決める1日の新規カード上限 — 1日に取り込む新規語数は1〜100の範囲で調整でき(既定は10)、1日10語なら1年でおよそ3,650語。目標が2,500語なら、それは希望ではなくスケジュールになります。
あなたにとって大事な数字は、その言語に何語あるかではありません。今日が期日の語がいくつあるか、そしてすでに定着させた語がいくつあるかです。
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